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ジャパネスク2012 時季のうつろい

8月28日(火)~ 9月2日(日)
愛知県文化芸術センター美術館ギャラリー J1J2
残暑厳しい毎日でした。
が、多くの皆さまにご来場いただき汗だくになりながらも嬉しい悲鳴を…。
感謝、感謝の6日間でした。ありがとうございました。

展示内容

青山光子(墨文字)作品9点
・第六段 芥河 「伊勢物語」
・第七段 かへる浪 「伊勢物語」
・第九段 東下り1 「伊勢物語」
・第九段 東下り2 「伊勢物語」
・第八二段 渚の院1 「伊勢物語」
・第八二段 渚の院2 「伊勢物語」
・五十有余 世阿弥「風姿花伝」
・大原御幸 「平家物語」
・巻一祇園精舎 「平家物語」

伊藤豊湖(造形)作品2点
・心の宙(そら) partⅦ
・心の宙(そら) partⅧ


矢野美代子(染色・キルト)
作品11点
・まほろば     ・月あかり
・記憶       ・晩秋
・芽生え      ・いのり
・雪の下      ・あけぼの
・花いかだ     ・縫(糞掃衣)
・土よ

毛井公子(絵画)作品10点
・長き夜 「夜の寝覚」
・雨夜の噂話 「源氏物語」「夜の寝覚」
・空蝉 「源氏物語」空蝉
・夕顔の宿に忍びゆく光源氏 「源氏物語」夕顔
・山の端に月 「源氏物語」夕顔
・冬の夜のもの想い 「源氏物語」夕顔
・垣間見 「源氏物語」若紫
・十八歳の頃 「源氏物語」若紫
・青海波を舞う光源氏 「源氏物語」紅葉賀
・雲中菩薩像12体 宇治平等院雲中菩薩像

                   (全32点)

会場風景

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毛井公子展示作品の中から抜粋
光源氏17歳から19歳までを描く10点

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最新作 「夕顔の宿(やどり)に忍んでゆく光源氏」


_P8294096.jpg千年の昔の物語を描いているにもかかわらず
「描き方が現代的で驚いた」
との感想を多く頂いた。
その辺りは、あれこれ工夫をしている…。
画面をステンドグラス風に分割したのも
そのひとつ。



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展示の手法として
必ず、息抜きの作品が
必要だと考えている。
力作揃いは息苦しいこともある。

「冬の夜のもの想い」
夕顔を失った17歳の悲嘆の光源氏

意外と好評だったので驚いている。


雲中菩薩像12体(宇治平等院の雲中菩薩像をイメージして)

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画面は縦45㎝
これまでにない作風(3色で描く)なので
「心境の変化?」と何人もの人に言われた。
今さら心境の変化など…と、思わず笑ってしまったが
確かに新しい試みなので、無理もない。

中学の修学旅行で唯一買ったポストカードが
この雲中菩薩像である。
美しいと感じた思いは今も変わらない。             
雲中菩薩像は、世界文化遺産宇治平等院鳳凰堂の
阿弥陀如来坐像を囲むように長押の壁に舞う52体の菩薩である。
宇治の平等院は藤原摂関時代を偲ぶ、数少ない遺構と言われている。
藤原道長の別荘「宇治殿」を1053年に息子頼道が寺院とした。
周辺は「源氏物語」宇治十帖のモデルにもなった所。

紫式部も訪れた地ではないかと想像して
鳳凰堂の雲中菩薩像のうち、12体を描いてみた。
楽器を奏でる菩薩、歌う菩薩、にこやかで、実に楽しげだ。

秋分の日(9月22日)記